前回の続きです。
有料のプラグインや音源が欲しくなった、あるいは必要になった際には、その製品のセール時でのみ買いましょう。これらはすべてデジタル製品なわけですが、価格の変動が激しいです。メーカー側は、もはやセールありきで販売しています。普通に20~50%くらいの割引になりますから、定価で買うのはバカバカしいです。ひどい製品では80%オフという場合もあります。ですから、DTM関係の製品を定価で買うことはお勧めしません。DAW付属の音源からステップアップしたい際には、セール品を狙って購入してください。
さて、世の中にはたくさんプラグインや音源が出回っています。セールをするということは、定価ではそんなに売れていないということです。簡単に言えば、アマチュアにおいての上位製品~プロの中堅クラス製品(もしかすると入門クラス製品)に該当する商品までしか頻繁にセールしていないことに注意が必要です。あるいは、発売から時間がかなり経過して、もう広く行き渡った後の投げ売り品も多いです。
なにが言いたいかと言うと、いいプラグインや音源がほしいと思って、セール情報を頻繁に調べて、セール品を購入している状況では、市販クラスの最上位製品はあなたの検索に引っかかってきません。セール情報をチェックしていても製品名も流れてこないので、存在を知らないまま、「ある程度」の品質の製品を買い続けることになります。この点を注意してください。市販の最上位クラス、つまりはプロ品質の製品は、どんなものでも基本的にほとんどセールしません。したとしても、値引き率が低いです。ですから、DTM作曲に慣れてちからがつき、ある程度定番の製品を購入して集めたら、その時点でさらなるプロ品質の製品を探すようにステップアップしてください。
初心者のうちに注意しないといけないのは、どんな品質の製品かという判断が難しいということです。世の中にはよい情報やセールストークばかりが流れていますから、自分の耳でちゃんと品質を判断できないうちはそういう情報に振り回されて、買わなくてもよいものを買いがちになります。そういう意味でも、初心者のうちから有料製品をたくさん買うことはお勧めできないです。
まとめると、
初心者のうちは、DAW付属のプラグインや音源を使い、動作原理や効果を学ぶ。
ある程度慣れてきたら、定番の有料プラグインや音源を少量だけ買う。そして、それを他の手持ちのプラグインで加工し、再現できないか検討する。
ある程度定番プラグインや音源がセール購入で揃ってきた後、さらにクオリティの高い製品が欲しい場合は、セール情報を追いかけないで、スタジオの定番だったり、知り合いのプロや好きなプロが使用している製品を聞いて購入する。
いうような流れになります。3の段階については、プラグインを販売しているショップのラインナップをすべて見て、高そうなものをチェックするのもありです。ただし、そもそも公式サイトでしか購入できない製品もあったりしますので、見つけるのに苦労するかもしれません。案外、3の段階になると、自分で演奏技術を磨いて録音したり、誰かプロにお金を払って演奏してもらったりということも入ってきますので、特定の製品を購入しない選択肢も入ってきます。
とりあえずは、2の定番製品をある程度集めるくらいで十分です。つまり、これくらい商品の品質が良いことが、自分の耳で判断できる状態を到達点にしてください。
さて、もう1つ注意点があります。製品を購入する場合は、できるだけ新しく作られたものを購入するほうがいいです。DTM界隈では、平気で10年以上前の時代遅れのものが売っています。そして、かなり安いセール価格で売っていたりするもんですから、ついつい買ってしまいがちです。「プラグインや音源に時代遅れってあるの?」と思うかもしれませんし、「使い場所もあるのでは?」というようにも思うかもしれません。はっきり言ってしまうと、大半の人は古めの音源やプラグインは使わないまま、SSDやHDDの肥やしになります。
無駄金を使うくらいなら、本当に必要なものを増やしたほうがいいですから、「とりあえず買う」ということにならないように、色々検討したり人の意見を聞いたりして購入してください。くれぐれも、有料製品を買って満足するというような、コレクターにならないように気をつけてください。