DTMを始めようとしている方で、無料のDAWが使えればいいなと思っている方はたくさんいると思います。2025年ですと、候補になるDAWは大きくは4つあります。Reaper(試用期間無制限)、LUNA、LMMS、Waveform Free(以下、略してWF)です。Reaperについては、試用期間は決まっておらず、製品版の機能すべてが使えるわけですが、実際にこのDAWを使うとなった場合は購入しましょう。また、主要な有料DAWにも無料版があります。これらは上記4つよりも機能が制限されているので、そこまでおすすめしません。有料版を買う前提のお試し版みたいな立ち位置です。具体的には、トラック数に制限があったり、そもそもプラグインが使えなかったりします。
さて、上記4つのDAWですが、まずはCubaseなどの高価なDAWに比べてできないことを見ていきます。
Reaper : ほぼなんでもでき、品質も高い。ただし、ソフト音源やプラグインがゼロだと思っていい。
UIは見た目的にかなり古いイメージなので、好みがわかれる。打ち込みは少しやりにくい。
LUNA : 打ち込みが貧弱で細かい調整が難しい。打ち込みには向かない。欲しい場合はMIDI機能を要確認。
ピッチ補正には別途プラグインが必要。
LMMS : オープンソースで良いのだが、そもそも録音ができない。また、VST3は使えず、VST2での運用になる。
オーディオが扱えないので、ピッチ補正もない。
WF : 機能面は十分だが、設計思想によりUI関係が他のDAWと少し異なる。ソフト音源やプラグインはほぼなし。
その他は有料DAWとほとんどかわらない。
有料DAWの場合ですと、いずれもこれらの問題で困ることはありません。上記4つのDAWの場合、録音もするが作曲主体でDAWを使いたいという方は、LUNAとLMMSは候補から外れ、現実的な選択肢はReaperとWFの2択となります。この2つは機能面では他の有料DAWに大きく劣ることはないので、サードパーティ製の無料音源や無料プラグインを入れれば、十分無料でDTMを行うことができます。Reaperについては、ルーティングが非常に柔軟であり、軽く、編集機能も強く、録音に最適なことから、録音用のサブDAWとしてよく用いられます。その頃にはきちんと製品版として購入してくださいね。WFはほぼ制限がないと言っていいのですが、何分完全無料なのでサポートがどうなるかわかりません。また、他のDAWへ移行する際の学習コストは他のDAWよりも高いように思います。
一応考えておかないといけないことは、ReaperにしてもWFにしても、Cubaseほどの機能はありません。具体的にどの機能かは実際に触ってみてください。ということで、結局有料DAWが欲しくなることも多いと思いますし、その際は移行による学習コストがかかりますから、最初から有料DAWにすることをおすすめします。逆に、CubaseよりもReaperの録音機能やルーティング機能が使いたいという場合もありまして、著者の場合は、Cubase+サブでReaperという感じで使っています。
ちなみに、無料音源や無料プラグインは探せばたくさん出てきます。ですから、DTMを体験したい、そんなに頻繁には使わないが時々やる趣味にしたい、という程度であれば、ReaperもWFもおすすめです。