皆さんはDTM関係の機材を買う際、何かの媒体での情報などを利用しているでしょうか。そして、良さそうなものが見つかった際、ちゃんと自分で性能を確かめてから買っているでしょうか。初心者のうちは特に、SNS等での他人のおすすめを自分で確かめもせずに買いがちですよね。確かめることができるほどの耳が育っていないから、とりあえず流行っているものを買っておけばいいか、という感じです。
でも、これだけは考えておいてください。SNSの情報には、商品を買ってほしい立場の人のプロモーション、金で雇われたサクラのプロモーション、純粋なユーザの肯定的意見、純粋なユーザの否定的意見、◯◯が言っているからとりあえず褒めとけ的なフォロワーの意見、などが混ざっています。この中から純粋なユーザの役に立つ意見だけピックアップできればいいのですが、それすらもわからない人、気にしない人が多いです。実際、なぜ流行っているのかわからない機材もたくさん存在していますよね。
さて、本コラムでお伝えしたいことは、「闇雲に何でもかんでもおすすめされた機材を買ってはいけないよ」ということではないんです。こういう感じで他人からの情報を利用して機材を買う人は、要するに、世の中で流行っているとされているものを集めている、ということに注目してほしいのです。つまり、他人と同じ機材を集めているわけですね。
DTMでお話を広げると、ほとんどのアマチュアDTMerがよく使っている音源、よく使っているエフェクト系プラグインはほとんど同じような構成になっている、という点に疑問を持ってください。「曲の中身は違うけど、ボーカルはあのAIボイスで、ベースはあれ、ギターはループ系のあれ、ドラムはあれ、etc.」というように、ほぼ特定できちゃいます。
昔の人は時代の進歩により登場する機材を我先にと使用し、自分だけのサウンドを追求していました。エレクトロ系の人は自分でシンセで自分だけのサウンドを作ることに躍起になっていました。つまり、世の中で主流のものを使うということは、自分だけのサウンドやオリジナリティという観点と反しています。私が学生だった時にお世話になった制作会社の人たちは、あまりメジャーな音源を使っていませんでした。むしろ、あまりメジャーではない、印象の薄い製品を使い、それを加工していくことで差別化を図ろうとされていました。こういう部分もまた、曲作りのなかのオリジナリティにつながるわけです。
もちろん、「あー、あれあれ、あのサウンド!」というように、聴き手を楽しませるためにあえて音を似せていくことも頻繁にあります。これはオマージュというか、予定調和的なものですね。つまり、人と同じような音、過去のあのイメージを踏襲する音、人とは違う自分だけの音、という3つをなんとなく頭のなかに線引を持っておこうという話です。そう考えると、セールの度に何でも買えばいいというわけではないという考えになりますよね。そして、自分の耳や自分の好み、自分の感性に従い、製品を選ぶような習慣につなげていってもらえればと思います。
ファッションなんかと同じように、周りに合わせてしまうと無難なアウトプットしかできなくなっちゃうかもしれません。一方で自分しかしていない奇抜な服を着たら、周りはドン引きです。こういう考え方は、ひいては、人を楽しませる気概の部分に関わってくる話かなと思うため、今回とりあげました。